2015/03/23

遠くて近い歴史のはなし


今日はまたウディ・アレンのはなしなんだけど
母親はアレン映画が嫌いだから
(あの顔が嫌いすぎて、みてると不幸になるって言って)
父親と2人でラジオ・デイズをみてたのさっき

数あるアレン映画の中でもこの映画
スリーパーに続いて2番目に好きらしい
父親のものさしの絶対条件として
ラブストーリーじゃないものっていったらまあ限られるよね

アメリカに憧れなんて抱かないけれど
この時代のニューヨークだけは大好きで、
なんで自分はあと半世紀くらい前に生まれなかったのかって
いつもすごくすごく悩んでいるんだけど

今日は休養日で、夕方からずっと映画を見続けて
このちょっと前にはジーグフェルト・フォーリーズみて
考えてみれば、今から70年前の映画なわけだけど
なんだか、そんなに昔のものってかんじがしないのよね

でもでもちょっと発見しちゃって、いまわたしが2015年20歳で
意外と身近に感じちゃう1940年代が、ざっと70年前だと考えたらさ
一緒に見てた父親が私の年20歳だったころの70年前っていったら
1910年代とかモネが健在現役の時代じゃない!

こうやってものごとは歴史になっていくんだって思って
遠いような近いような遅いような速いような歴史がね









2015/02/23

ウディ・アレンはきらい 村上春樹もきらい


ウディ・アレンの映画がなにかに似てると思ってたら
なるほど村上春樹の小説が似てるんだって気づいたよ
何が似てるかってそれはもちろん主人公の男が似てるにきまってる

主人公の男の何が似てるかっていうと
信じられないくらいになよなよしてるところでしょう
信じられないくらいになよなよしててペシミスティック
だからわたしは、ウディ・アレンの映画をみるととてもむかつく


でももっとむかつくのは
信じられないくらいにペシミスティックでなよなよしてるのに
信じられないくらいに簡単にたくさんの女が寄ってくること
それがわたしは、とってもとっても気に入らないのである


そしてそれは村上春樹の小説に出てくる男にも通じる
読んでるととっても気に入らないしとってもむかつく
「俺は今とても個人的な話をしているんだ」
そんなの知らない、うるさいだまっておいてよ


そんなにむかつきながらもいらいらしながらも
気づいたら手元には「羊をめぐる冒険」があって
借りてきた「スコルピオンの恋まじない」を眠い目をこすりながらみている自分
合わせて「それでも恋するバルセロナ」も借りてきちゃったから後悔

何が言いたいかって、いっちんばんむかつくことは
そんなダメ男を気にしちゃうこと好きにならずにはいられないこと
そんなつもりないのになんで?どうして?


「ところで、一緒に帰ってきみの猫にエサをやらない?」
こんなこといわれたらどうしようもないじゃないどうしてくれるのよ?
「君の瞳の色は何色?」って
そんなこと聞くなんて絶対フェアじゃない、なんなのよ?




2015/01/31

Le Freak


ニューヨークに行ったとき泊まってたホステルの地下からずんずん音がして、マホと一緒にのぞきにいったの。関係者以外立ち入り禁止みたいなことがかいてある看板があったんだけど、読めなかったということにしといて。奥へ奥へ進んでいったら、スーパーの従業員口みたいなへんな大きい扉があって、その先がへんな箱みたいになってて、へんなバンドがライブをしていたわけ。へええ、こんなところにつながってるんだ、と思って、とりあえずへんなバンドの曲を2曲くらい聴いて、部屋に戻ったわけ。

次の日の夜、シャワーを浴びに行って部屋に戻ってくると、マホがいなくて、でも地下からズンズン音がして、もしかしてと思って昨日の立ち入り禁止に行ったら、今日はへんなパーティーが行われてて、プエルトリコなかんじの人たちが踊ってるんだけど、その中心にマホがいるわけ、踊ってるわけマホがその中心で。マホは扉から覗いてるわたしに気づいて、踊りながらこっちにやってきて、なんかよくわからないけど踊りたくなっちゃったから着替えてここに来たのとかなんとか言って、かるあも踊ろうよとかなんとか言って、気づいたらわたしも踊ってたわけ。

わたしは日本でクラブとかパーティーとか数えるほどしか行ったことないけれども、ここ、日本とは本当に違うの。人が、みんなが、おもいっきり「踊っている」の。へらへらへらって手とか足とか振ってるんじゃなくて、だからといって決まった振りを踊りこなしているんでもなくて、音楽を感じるがままにおもいっきり身体を動かして「踊っている」の。小さいときからいろんな踊りを習ってきたけれど、こんな感覚ははじめて。

運動会の行進を見て父親は「ここは軍事国家なのか」って毎年毎年言ってたけれど、こういうことやるのって確かに軍隊とか刑務所とかだよね。学校も軍隊も刑務所も何をやりたいのかっていうと、えらいひとが扱いやすいように大勢の身体を規制してるって説明してるひとがいるみたい。この「ディシプリン」の考えは、学校だけじゃなくて社会全体に及んでいる。ベンサムが言うように、権力者に統制され続けた結果、自分たちがお互いの態度を監視するようにまでなってしまって、権力者が見えない中でも「ディシプリン」がずっと継続してる結果が、お辞儀の角度だとか、リクルートスーツだとか、黒い髪の毛だとかなんだって。

そこで、磯部涼っていう先生は「ダンス」をそういった「ディシプリンからのがれる方法」としている。なるほどわたしが感じた「解放感」もこれだったのかもしれない。でもそんな中、解放からのがれるための「ダンス」が身体を規制しようという「ダンスの公教育の必修化」は皮肉なはなし。これはもしかして国の戦略かもしれないって磯部さんは言うけれども、たしかにそうかも、とてもこわいはなし。

難しいはなしになってしまったけれども、何が言いたいかというと懐中電灯を持ってきて、サランラップをピンク色に塗って懐中電灯につけたら、それを天井から吊るして、部屋真っ暗にして、あといっちばんカラフルな服きて準備ができたら、音楽を大音量で流して踊りまくろうってこと。縛られた身体を解放して踊りまくろうってこと。

そのためにばっちりな曲を以下紹介しておくね!









2015/01/28

わたしはメンフィスに行ったことないけどメンフィスはヨコハマに似てるのかな


退屈って心地いい
学校ないから早起きする必要もなくって

家から出るのに飽きちゃったから
映画をまとめて20本くらい借りて
古い本もまとめて20冊くらい買って
朝と夜が逆転しながら今、ブルームーンを聴いている

退屈な深夜にブルームーンを聴くと
ちょっぴり楽しくて切ない気分になる
ひとりでさみしいんだけどこうゆうかんじは嫌いじゃない

好きな先輩がミステリー・トレイン(1989)のジュンにちょっと似てる
ぶっきらぼうで何考えてるのかわかんないところがちょっとだけ
いつになったらわたしのこと女の子として見てくれるのかな
一生ないだろうなと思いながら今、ひとりりんごをかじってる

わたしはメンフィスに行ったことがないけれど
メンフィスはヨコハマに似ているのかな

暗い窓のとおくを眺めながら今、退屈を楽しんでる







2015/01/24

けだるくて陳腐な夕方4:00


どうしてこんなにばかなんだろう
何度思い知れば気がすむんだろう

朝からなんにもしたくなくてずっとごろごろしてる

映画みるのもめんどくさいし
本読むのもめんどくさいし
そもそもここから動きたくないし
おなかすいたのに食べるのもめんどくさい

くちびるが乾燥してる
はなのおくがつーんとする
まぶたが重すぎてあけてられないのは
たぶん昨日の夜更かしのせいだろう

やることがないと考えごとをしちゃう
でも考えごとしちゃうとまためんどくさい
自分のばかさを思い出して
なさくなくてめんどくさくてにげだしたくて、だから

何も考えなくてすむように最高にけだるい曲を聴く
けだるくて陳腐でこうゆうときはこうゆうのがいい

愛だけを求められたなら
それだけを考えられたなら

Chic "I Want Your Love"(1979)


  




2015/01/05

年賀状とウォーホル


夜中に家のパソコンのiphotoを開いたら
なんだか止まらなくなっちゃって
今日こそは夜更かしやめてさっさと寝ようと思ってたのに
気づいたらもうすぐ3時で

我が家は昔から、12月の終わり、クリスマスを過ぎると
食卓で父親が白い紙持ってきてああでもないこうでもないって
デッサンをするのに付き合わされるわけ
何をしているかというと、年賀状のデザインを考えるのね

ここぞとばかりに1眼レフを持ってきて
ある年は、近所の公園に寒い中ロケに行き
ある年は、ソファとテレビどかして白い壁あらわにして
白い画用紙をレフ版代わりに使って撮影が行われ

そして、その後ひたすらphotoshopと格闘して
10歳くらいのわたしが、使い方をたたきこまれて
ある年は、突然停電してデータが全部消えたりして
結局、お正月過ぎた頃にやっと出来上がる年賀状



10年前に、年賀状制作にあたって、出会ったのがアンディ・ウォーホル
父が得意になって、《マリリン・モンロー》(1967)をひっぱってきて
美術なんて全く縁がなかったわたしが、10年後にこうやって
本物を目にするなんて、彼を自分の専攻にしてるなんて



何があるかなんてわからないし
この2015年も何があるかなんてわかんないし
だからだからとても楽しみ

そして今年はまだ、年賀状完成してないのです



2015/01/01

始まりの予感


2015 02:20AM

父の車で、フランク・ザッパの「ボレロ」を聴く
この曲の、重いこのリズムを聴くといつも同じ気持ちになる
なにかが始まる予感
あたらしいなにかが始まる予感




2014 09:45PM

昨年の今ごろ、ここで年を越せるとは思わなかった!

毎年窮屈なソファの上に家族4人がそろって
テレビでみていた東急ジルベスターコンサート
わたしに言わせると、日本一クラシック音楽が似合わない我が家
でも、年越しの15分だけは、カウントダウンのこの曲に夢中になるの

今年はBunkamuraオーチャードホールに家族がそろってる
クラシックが似合わなすぎる4人がここに並んでる!


2015 01:35AM

カウントダウンのシベリウスの「フィンランディア」も良かったけど
わたしたちの楽しみは、最後のラヴェル「ボレロ」

何千回も聴いてきたこの重いリズムに
地球を感じて、宇宙を感じて、その中にいる自分を感じて
新しい1年の始まりを感じる

なにかが起こる予感
あたらしいなにかが起こる予感